【超重要】フォームミルクの理解

ラテアート

ラテアートの作り方などを調べると、基本的に注ぎや書き方がメインに据えられています。
なので練習といえば一生懸命同じような注ぎ方を実践すると思います。

でも、
動画や書いてあることのようにやっているつもりなんだけどうまくできない。
いったい何が違うのか。

パッと見自分と違うのはエスプレッソ?
ピッチャーやカップなどの道具?

今回は意外な盲点を紹介します。

それはフォームミルクです。

ミルクの種類は低脂肪とかじゃなくてちゃんと種類別:牛乳を使ってるよ?
それに動画と同じように細かくもできているつもりだけども…

目視じゃわからない 【フォーム】の質が違うかもしれないね。
今回はフォームミルクとはなんぞやを一度しっかりと復習していくよ。

フォームミルクの性質の理解

前提として空気が含まれた液体のため、水面に浮かびやすい性質を持っています。

当たり前ではあるんですが、常に頭の片隅にいれておくとうまくいかなかったり壁にぶつかったりしたときに大きなヒントになります。

例えば浮かなかったりした時、それは泡とミルクが混ざり合ったフォームミルクではない可能性があるということです。(分離してミルクだけ、もしくは泡だけだったりしている)

フォームミルクは泡と混ざり合っているために比重が1(密度だと1.00g/㎤)よりも圧倒的に小さいです。
つまりフォーム(泡)を多く作るほど、比重は(密度も)少なくなる
 →浮きやすくなります!
理屈はこんな感じです。

例えば、
フォームミルクの気泡がそれぞれが粗く大きく粒がバラバラだとしたら…
 →「一粒、一粒の泡それぞれ」に浮力が強く働く
 →結果:液体と泡にすぐ分離してしまいます!

この考えがあると『ミルク分離の把握と理解』とフォームの『細かさ』『均一にすること』の重要性を感じることが出来ます。

はいはいミルクをしっかりと綺麗に作れってことでしょ。具体的には?

①泡一粒一粒を最大限できるだけ細やかにする。
②細やかな泡が均一に達成できる範囲で泡の量を多くする。

実はこの①から②への考え方の順序が大事です。
多分ある程度できる方ほどそんなこと知ってるよと意外とおろそかにしがち。

フォームミルクを作る「作業工程」がボリュームアップ→テクスチャリング
なので逆説的に感じられるかもしれませんが、
フォームミルクの理解においてだけは細かい泡の作成が大前提でその後フォームのバランスを決めるという認識をしっかりと持っているとその後の上達に差が出てきます。

粗い泡や不完全なミルクで練習を重ねてもなかなか上達しません。
どうかキメ細かくそして混ざり合ったミルクを達成できるようにまず練習してみてください。

この理解があるとパワーの弱いマシンや触ったことのないマシンを扱う場合にもすぐに対応できるようになります。

エスプレッソマシンへの対応力

よくある例と対応です。

【A:ボイラーが小さく噴出力が弱いマシン(家庭用や100vマシン等)】
①泡一粒一粒を最大限できるだけ細やかにする。
 ×噴出力が強くないのでテクスチャリングで泡を細かくできない。
  →最初のボリュームアップで可能な限り細かく作るように心がける!
  →(そのためにスチームチップを細かいのに変えよう!)
②細やかな泡が均一に達成できる範囲で泡の量を多くする。
 ×噴出力が弱くフォームを多くいれすぎるとテクスチャリング自体がピッチャーのかさ全体で行われない。(それはある一定以上のキメ細かいフォームは作れないことを意味します。)
  →テクスチャリングで混ざり合わせることが出来る範囲までフォーム量を少なくしよう!
  →小さいピッチャーを使用したり、そもそもミルクの量を減らすしかない!
  →(スチームチップを1穴のものに変えて噴出力を一方向でもいいから強くしよう!)

【B:スチームは強いが、粗い泡ができてしまう。(古ーい200vエスプレッソマシン)】
①泡一粒一粒を最大限できるだけ細やかにする。
 ×ボリュームアップのコントロールが難しく粗いバブルが入りがち。  
  →テクスチャリングで細かくすることに時間をさくように迅速スピーディにボリュームアップを終わらせる。
②細やかな泡が均一に達成できる範囲で泡の量を多くする。
 ×噴出力が強くピッチャー内でミルクが暴れてしまう。
  →暴れず、かつ一番効率的に泡が細かくなるスチームポイントを見つける!(スチーム編にて詳述)
  →とにかくバブルが入らない場所でテクスチャリングに沢山の時間をさくようにする!
  →もうむしろ暴れない範囲までミルクを余剰に使用する。割とクラシックな先人たちにおいてはそこからちょい捨てするルーティーンとかありました。

と、対応や意識へのポイントがわかりますね。
(昨今のエスプレッソマシンはAとB両方満たしている場合が殆どでかなりイージーだと思います。)

「泡一粒一粒を最大限できるだけ細やかに、そしてそれが達成できる範囲で泡の量を多くする」

この考え方を持つと自分のスチームのキメ細かさについて見つめなおすことができ、シングルハートやシングルリーフだけじゃなく、多連だったりシャープなラインだったり一つ壁を越えたレベルまで上達できると思います。

抗えない水分含有

ミルクを温めて所定の温度で止めたとき測りなおしたらグラムが増えています。
なおスチーム時間が長くなるほど水分も多くなります。
如何としても避けたいことではありますね。

ボイラーが厚く高い温度の水蒸気の維持でスチーム時間が短く水分含有も少ないMゾッコやSレイヤーといったマシンはスチームの評判がいいですがやはりその分高額です。

スチームノズルから出ているのは『水蒸気』なので水分が増えるのは仕方ないです。

どのマシンもそうなるんですが、いずれにしても水分が多くなると比重が大きくなり、浮きにくく、分離しやすくなるという影響があることだけは抑えておくといいかもしれません。

対応としては早書きです。←何気に超重要。

終わりに

だいぶ回りくどかったんですがとにかく僕が言いたかったことは
スチームミルクの仕上がりって本当に本当に大事なんですよ!ってことです。

それだけが伝わればいいです。

注ぎの練習楽しいからついついそこに目が行くんだけど、ミルクが不完全な状態で無理して練習してもマジで上達しません。(それどころかリカバリーしようとするので変なクセがつきます。僕がそうでした。)

そのパーフェクトなミルクを作るための技術的なことは余すことなく次から書いていきますね。

お楽しみに!