③メイラード/キャラメライゼーションとRoR

焙煎

珈琲豆が150℃付近に達するとメイラード反応が活発に起きます。

【※表示豆温度とイコールではないことには注意ですよ!】

まずこれは反応として確定です。

なにが起きているのかと言うと糖やタンパク質やアミノ酸が分子分解や再集合を行います。

化学変化です。反応ですもんね。

なのでここの『時間』を一度チェック!!!

そしてクラック(ハゼ)が起きた時間もチェックする事で

味わいを大きくコントロールすることができます。

スペシャルティコーヒーだったらだいたい3分~4分程の時間をかける所から始めるといいと思います。

それはおのずとRoRが10~15あたりになると思います。

長ければ長いほど成分が進化します。甘さやフレーバーが発達すると言われています。

粘性が出て落ち着いてきます。味わいとしては熟していく感覚です。

短いと未発達感やただひたすらに強い酸味、薄っぺらさを感じます。

長すぎると酸味やフレーバーを感じにくくなります。カップが暗い印象になります。

酸味傾向の味わいが好きじゃない方や普段煎りが深いものを飲まれている方は口に合うとも思います。ここはバランスだと思います。

深煎り等にしてボディのあるローストフレーバーを楽しみたい場合や意図的に親しみやすくする味づくりや低品質な豆でネガティブさがあってむしろ個性をだしたくない素材の場合はあえてこの選択肢も良いと思います。

このメイラード反応の時間については珈琲に含まれる水分活性が影響しています。

水分活性とは食品中に含まれる自由水ですがそれの大小でメイラードの上限時間が決まります。

水分活性が高かったら長くとれます。

水分活性が低かったら長くとれません。

水分活性を高くとるためにはまず素材として生豆は適切に保存保管されたクロップを使えばいいです。

そして早い段階でメイラード反応を起こす必要があります。

早い段階でメイラード反応を起こすためにはドライの行程をすばやく終わらせる必要があると言う事です。

ここは前述のドライの話になります。

難しくなりましたね。

まぁまずは焼いてみて飲んでみて

甘いけどフレーバーが弱いなぁ軽いなぁと思ったらメイラードの時間を短くして

フレーバー強いけど甘くないなぁボディ弱いなと思ったらメイラードを長くすればいいです。

そもそも味わいの総量が弱いなぁと思ったらちょっとドライを短くして速くメイラードが起こるようにすればいいです。

でもそれでクリーンが悪くなったり、マウスフィールに欠点を感じたなら短くするべきではないです。

そこまでしたらその豆のポテンシャルがどこが自分の中でのベストなのか設定できると思います。

次がキャラメライゼーション。

カラメル化です。糖分だけが反応するやつです。

メイラードの時も起こってはいるんですが、少し遅れて反応が活発になります。

非常に甘いにおいがします。

170℃あたりから豆が縮んできます。黒じわがきます。

ここからは、酸味と引き換えに甘みと香りが強くなります。※経験則です。

アシッドを丸くしてバランスを取りたい場合はここからのRoRをなだらかにするようにした方が良いと思います。

A.具体的にはメイラード初期を速く駆け抜けて後半のここで時間をとりたいわけなので火力をあげるタイミングをいつもより早めにして170以降の時間が長くとれる排気温度に速くもっていき、そこからのRoRを極力穏やかに過ごすことです。

B.逆に酸味をしっかり残してフレーバーフルを攻めたい場合はメイラードの時間をゆったり時間かけて見届けてからハゼる排気温度もバランス良くカロリーを与えていけば酸味が残せると思います。

※AとBはTimeは同じと仮定します。

基本的にはRoRを意識して【つまり今豆にどのくらいカロリーがかかっているのだろうか】

と予測して焙煎したりプロファイルを見直すと狙った味わいを目指せるはずです。

必要であればカロリーを上げるときっと個性が立つはずです!

でもくれぐれもカロリーはRoRをあげるため=釜内温度と豆温度の差=豆への熱の伝わり方を上げる為の手段です。差が縮まればRoRは減少します。

RoRというのは最終的には【排出された焙煎豆の表面温度と内部温度の差】につながります。

これは次回詳しく解説します。

ただ、ここで抑えておきたいポイントが

RoRを揃えたりすることが目的なのではなくて結果的にどういう味わいにしたいかの逆算することが大事だよ、とういことです。

どうしても、プロファイル弄ってると机上論が強くなってきます(-_-;)

ここで僕もよく迷路にはまってツラくなってしまいます。

あとダンパーの操作についてですが

ロースト工程においては固定、もしくは自分のルールを決めた少しずつ開けのどちらかにした方が良いと思います。

まず釜内温度は風の影響でぐにゃって変わります。

温度計の場所と投入量にもよりますが、ダンパー操作で人為的に排気バランスを変えると人為的なRoRが表示されます。排気温度計があればいいんですがないと予測するのがかなり難しくなります。

というかシンプルにカロリーで変数が作られているのにダンパーで変数が増えるとややこしくなります。

なので必ず固定、もしくはダンパーをいじるタイミングは絶対に同じタイミングって決めるかニュートラル追う等しないととてもじゃないですがバッジ毎のプロファイルが同じ条件の比較検討ができません。

カロリーで味作りをしてプロファイルを固定させた後にダンパーだけの微調整に取りかかるといいと思います。