【完全解説】スチーミングのポイントと仕組み

ラテアート

フォームミルクの作成方法とは
泡を作り、混ぜます!

それだけなのになぜなに奥が深く難しいんでしょう?

今回はそんなスチーミングのコツとポイントと誰も教えてくれない理屈と対策を基本のオペレーションも含めて詳しく解説していきます。

技術的なことで文章化するのは大変難しい。でも頑張って伝えていきます。

今回は新しい試みとして少しでも伝わりやすくなるかと思い動画も撮ってみました。

よろしければ合わせてみてくださいね。それでは早速いってみましょう!

ちゃんと準備できてるかな?

①ミルクを用意しましょう!
使用するカップやピッチャーのサイズに合わせた適正な量をいつも同じように用意しましょう。

ミルクのロスを防ぐこととボリュームアップで行うフォーム量の調整は『目視』で行っているのでここがブレるとその後も変わってきちゃいます。

ピッチャーの傾き加減も変わってくるし注ぎ感も変わる。正確な計量はなかなか重要なんです!

②スチームワンドを調整しましょう!
スチームワンド内には結露した水分があります。

薄くなっちゃうので空ぶかしは忘れないように!スチームワンドはかなり自由度が高く動きます。なのでちゃんと場所のアタリをつけておかないと変動要因だらけになってしまいます!

オススメは横軸は地面と直角にすること。手前への引き出し加減だけでちゃんとできますのでややこしくしないでよろしい。(左右の動きは考慮に入れなくてOK)

繊細かつ大胆なボリュームアップ

①スチームワンドを差し込む位置
まず真ん中ではないです。
渦で沈み込むのでテクスチャリングの段階にまたバブルが入り込むリスクが高まります。

渦が発生しにくいチップ形状(割と外側に穴が空いているマルゾッコチップとか)や渦が発生しにくいピッチャー(卵型メプラとか)、そして横幅(奥行)よりミルクかさのほうが長い場合は液面の面積の直径より深さのほうがとれるので渦ができにくく、割と真ん中でもOKです。

ピッチャーの側面ではないです。
壁に近ければ近いほど中央に渦を引き起こします。

次に手前側(自分側)ではないです。
手前にスチームワンドを引き出した角度がついているので向かって自分側に近いということはスチームパワーが即手前のピッチャーの壁に当たります。そして跳ねます。暴れます。

じゃぁ奥側(マシン側)が良さそうだということになります。
具体的に言うとスチームワンドがそのまままっすぐ伸びたらピッチャーの手前側(自分側)の底にくる位置が理論上スチームから底面まで一番長く距離が取れる。

つまり壁でロスしていない活きのいい(?)スチームパワーを効率的に使えます。

だがしかし!!!
真ん中から奥にずらしただけだとピッチャー内の方向エネルギーが均一になります。渦も深くなります!(リスク)

そうなると中でのミルク同士でのぶつかり合いが起きにくく泡がキメ細かくなりにくいです。(でも最近のチップはそうならないようになってるんだどね)

じゃぁ奥側にしてそこからちょっとだけ右か左か若干ずらす。
そうこれがよく聞く真ん中からちょっと右奥ってやつです。

スチームワンドをあんまり手前に引き出さない人はただちょっと右だけでもよい結果が得られると思います。

ちゃんと理由があるんですね~ちゃんと理由を言ってくれる人やそれが書いてある書籍なんて見たことないけど。

②ボリュームアップ時のバルブを差し込む深さ
まず差し込んでください。差し込まないとバシャッと跳ねてきます。

めちゃくちゃ深く差し込み過ぎると底面から跳ね返ってきたスチーム力で液面が暴れます。

めちゃくちゃ浅く差し込み過ぎるといなすコントロール力が必要です。

チチチってボリュームアップしちゃわない程度に深く差し込んでください。

③繊細にボリュームアップを行うコツ
ボリュームアップは空気を取り込み適正な量のかさを増す工程です。

生クリームの立て方がイメージしやすいと思います。泡立てなんで空気を取り込むように液面をバシャバシャしないといけないわけです。

でも激しくバシャバシャすると大きい泡ができます。

大きい泡も細かくすれば何も問題はないんですが、スチームってとても高温なので細かくし終わるまでにミルクが高温になってしまっては美味しくないんです。

なのでなるべく穏やかにバシャバシャしたい。

そのためには探りながら少しずつスチームワンドを露出させていきましょう。

そして真ん中の渦付近でボリュームアップをすることは避けること。

渦の動きなんて読めないわ!わりと壁側のほうが液面の暴れ具合が安定しているのでオススメポイント。(対流系命の人とかはフォーム量の際どさが命で、そのピンポイントを攻めてるから壁側大好きよね。)

あとミルク温度を高め過ぎないように思い切って最短で終わらせちゃうこと。

その後のテクスチャリングをしっかりできるなら問題ないよ!(テクスチャリングタイム長いと分離も遅くなるしナイスだよ~)

テクスチャリングの効果って実は2つ

①ピッチャー内に抵抗を起こし泡を細かくする効果
スチームノズルの蒸気って実際すごいパワーです。

それをピッチャーの狭い中、しかも液中で発生させているわけなのでもう暴れんばかりに中はハチャメチャに力が働いているわけです(抵抗)

その勢いがぶつかり合い(抵抗が起き)分裂し、細かくなっていきます。

ちなみにスチームの熱とたんぱく質のナイスな関係で泡は割れないよ。

その力の方向が揃ってしまうとが発生します。
できればこれはあまり起きてほしくない。

力の方向が揃うということはピッチャーの中でぶつかり合っていない(抵抗が起きていない)ということ。(俗称ヨコ回転)
なかなか細かくなってくれないんだなぁ。(最近のチップの形状的にはそれでも余裕で細かくなるんですが。)

つまり渦が起きないように…は深さがないと安定せず難しいからぐるぐるーってなる渦のスピードを極力抑えるように意識すればいいわけだ。

②とにかくしっかりとフォームを分散させまくる効果
攪拌します。まぜまぜです。
とにかく泡を液中にしっかり分散させたいです。

フレンチドレッシング(乳化なんで違うんですがわかりやすく例として)を想像してください。フレンチドレッシングをコマのように回転スピンしても遠心力が加わるだけで混ざらないですよね?横じゃなくて縦に振らないと!

しかも激烈激しく振ったら細かくなりますよね。ちなみにこれが①の抵抗のイメージです。

③カギは底面意識とデッドゾーン
抵抗も分散もピッチャー全体で行われることが大事です。

その為のヒントの一つになるのはノズルの噴出口から底面までの距離です。

テクスチャリングだからといってノズルを深く差し込む人たまにいますけどダメです。

底面にぶつかってせっかくの活きのいい(?)スチームの勢いが衰えるばかりか
その噴出口よりも上部液面側の液体には抵抗がかからないんです!もちろんボリュームアップして新しい泡を作ってはいけないんですが、少し浅めに攻めて最高率を目指してみてはいかがかな?(え!ミルクの量ふやして深さを出すって!?ミルクのロスはばかにならないからやめなぁ。それよりもピッチャーの直径を小さくして高さがでるようにしたらどうかな?え!そしたらピッチャーの傾きがとれなくてうまく注げないって!?)

そこまで計算して開発されたのか分からないけどそれを満たした最近流行の形WPMピッチャーのそっくりさん。あきらかにWPMのコピーなんだけど値段が半端じゃなく安い。

 

オーソドックスの形だとこれかなあ。
写真見る限り薄そうなの。もしも軽ければナイス。
シンプルな話リーフとかを紙に書くとして小刻みに振るような動きを軽いペンと重いペンどっちが書きやすいかの話です。

 

美味しい温度は綺麗なラテアート

①58℃からたんぱく質が凝固し始めます。
当たり前ですがスチームはそれより「高温」の蒸気をミルクに当てているので、作られたフォームは持続し、以降ミルクの表面の泡はどんどん強く変質しにくくなっていきます。

しかし全体がこの温度を超えると口当たり柔らかからだんだんと遠ざかっていくことになります。

でも超えないと日本のおばあちゃんからぬるい認定されるのは注意。覚悟の塩梅。

②68℃から分水作用が起きます。
牛乳は乳脂入ってます。乳化してます。分水したらえらいこっちゃ。
サラっと水っぽくなって分離がとてつもなく早くなり、フォームがどんどん割れてこわれていきます。
いくら粗い泡が気になったとしてもアツアツになるのは出来るだけ避けたいね。

動画撮りました。

かなり長くなりました。

ということで動画を撮りました。
テロップめんどうだったのでしゃべりました。

うるさかったらこのブログ読みながら見てください。

なんとなくで動きのトレースができちゃう天才感覚派は多分見たほうが早いかもしれないです。

あくまでこうした方がいいよってことではなくて普段の向上や調子悪いなってときの助力になればいいと思います。

そして次回は注ぎですね。

流量とカップの傾きがメインになるかしら。

これも動画撮っていこうと思います。
さすがにカップ持たないと上手に注げなさそう。顔映りそう。やだなぁ。

お楽しみに!