焙煎プロファイルログ ルワンダブワイ②

焙煎

前回の続きです。

インスタグラムの更新にハマっていてこのブログの存在を忘れていました。

前回のカロリーをアップさせる手法でフレーバーを増したよ!

といいたいところですが、前回の変更を加えたら逆に思った以上にフラットになってしまいました。不味いわけはないんだけど。思ったような変化にならなかったので頭髪が薄くなりました。

その原因は『水分』です。

ドライを長くすると成分の進化に必要な水分が多分に失われていきます。

でもドライ(トータルタイム)を長くしたい。もっと液体を柔らかくしたいんだ。

ここで行ったテクニックは『ダンパー閉め』です。

ダンパーを閉めて水分の抜けを抑制しています。

それによりドライのタイム(Goldまでの時間)が伸びます。

するとその後のメイラード反応帯が長い時間取れるようになります。

取れるようになるというか水分が少ない状態でも長く取ってもいいんですが、どんどんフラットになっていきます。(エージングによって味が伸びるマイルドな焙煎になっていきます。個性の角が取れてまぁるくなっていきます。コモディティコーヒーや酸があったらバランスの崩れるタイプの深煎りはしっかりとっていくと美味しいよ☺)

下限はカロリー不足、ベイクド。焙煎によるオフフレーバーが出る範囲までです。

そしてここからカロリーを強く当てる(当たっている状況を作る)とフレーバーが際立っていきます。

上限は進化不足の状態と刺激を伴うビターネス(表面焦げ)です。

水分があればこのメイラード反応帯の『あそび』が大きく作れます。

でもカロリー操作にで起こる極端なRoR変動は成分進化を阻害します。

なので変更したカロリーが緩やかに豆に伝わるように『ドラムの余熱(冷)』が必要になってきます。

話がそれてきたのでそんなこんなで出来上がったのが今回のプロファイルです。

Goldまではややダンパーが閉め気味になっています。(ニュートラルは3~3.5です。)

前回より高いカロリー、高いテンポでカロリーをいれたかったのでメイラード反応帯のカロリーは1.2です。

ドライ(それに伴うトータルタイム)を長く取りたかったので中点温度を低めています。

これ以上投入温度を低めると窯が冷えすぎて焙煎の進行に阻害されるので投入後カロリーは一旦1です。経過の様子を見て1.2に上昇です。

Goldからダンパーが閉まっているとこもったような抜けの悪い味になります。すっきりの反対のよく言えば芳醇のような重たい感覚です。エスプレッソや重たいマウスフィールを出したいならいいかもしれませんがほっこり系もやりすぎるとしつこい味です。

せっかくのCOEなので極力すっきりさせたいのでダンパーをここからニュートラルにします。

温度計の場所の都合上、内圧がかかっていたものがダンパーに開放されたのでRoRが部分的にハネて上がっていますが、熱効率は下がっています。惑わしに注意。

この後のカロリーの入れ方は排出までの道筋から逆算から考えていきます。

それはDTR、排出温度、モイスチャーロスです。

僕はローストアナライザー(豆の明暗を図って焙煎度合いを測定するもの)ないので排出温度とモイスチャーロス(焙煎前と焙煎後の重量変化)で焙煎度合いのチェックを主に行います。

今回はDTRは20%、排出温度204℃を目指します。

このままの1.2カロリーで駆け抜けてハゼさせるとハゼ後カロリーをオフったとしても20%DTR後に204℃排出は難しいです。事前にカロリーをコントロールしておく必要があります。

仮にできたとしても体感として1分以上RoRが横ばい、ないし低下すると豆の芯温と表面温度が完全に一致してしまってフレーバーが失われてしまうリスクがあります。(ベイクド)

じゃぁ事前にカロリー下げておこうかと、どこで下げるのかと。

それは豆の発熱が激しくなるタイミング(縮んだ後膨らむところ、つまりハゼ前)より前です。

今回はちょっと安牌に175℃、縮み始めたところで下げています。このタイミング以降酸が甘さに変わって(いく傾向が強くなって)いきます。

今回は0.6にカロリーを落とすことでこの時間帯を比較的長く取っています。水分が残っているのでちょっと長くとれるんです。

仮に0.8だったらもっと酸が残ると思います。ですが時間が渋いレベルになったらいやなのでダンパーを少し開けといたほうがリスクが少ないかもしれません。

仮に185℃でカロリーを落としたらシャープな酸になると思います。

1.2のままいったら時間帯取れなさ過ぎてハゼまでいくので酸がもう渋いレベルになっている可能性があります。(進化不足)

カッピングした感じDTR20%もとるなら0.8でもギリギリいける余力はあるかなと思いました。とことん甘いです。

0.6でいくならDTR16~18%の浅煎りのほうが味わいの面白さはあるとも思いました。

こういうことを『攻めた焙煎』というのかもしれませんね。

とことん攻めるならトータルタイムは短くしたほうがエージング後のピークがギュッと狭まるのでいいかもしれませんね。

わたしは長い間美味しい状態が続く珈琲豆を目指しているのでトータルタイムは短くなりすぎないようには心がけています。

なんかとっ散らかっちゃいました。

近々ちゃんとまとめます。